■電子文書と紙文書 2/2:電子文書作成の基本作法

1 画面領域はタテ長がよい

電子文書の場合、横書きが原則ですから、縦書きを考慮して文書を作ることはまずありません。横書きの文書を印刷せずに読んでもらう前提で、その書き方を考えてみましょう。まず私たちが読むときの領域は、どういう形になるのが一般的でしょうか。

パソコン画面は固定されていますので、あまり意識されませんが、タブレットやスマートフォンで文章を読むときに、長方形の画面領域をどういう風にして読むでしょうか。おそらく縦が長く横が短いタテ長の長方形の領域で読むはずです。

上から下への視線がスムーズに行くには、タテ長画面のほうが一行が長くならず、楽に読めると思います。一行が40文字を超えると、抵抗感が一気に出てきます。それでも3~4行なら読んでくれます。ツイッターが140文字までなのも、同じ理由でしょう。

 

2 空白行の工夫が必要

横書きの電子文書の場合、あまり横への視線移動が続かないように考えておく必要があります。ひと息つけるように、適度に段落をつけることが効果的です。段落をつけるとき、紙のように一文字を下げる代わりに、空白行を入れることになります。

文字数にもよりますが、3行か4行書いたあと、空白行をいれた方が読みやすくなります。そして空白行を除いて通算20行になるまえに、ひと区切りしたほうが読みやすいでしょう。ひと区切りの1ブロックに、空白行は多くても5行程度ということです。

スマートフォンの影響なのか、1ブロックを10行程度にした方がよいとの回答が多くあります。できたらブロックに、小見出しをつけましょう。ブロックの内容を事前に示しておくと、大きく間違うことが減るはずです。さらに小見出しには、別の効用もあります。

 

3 小見出しの工夫が必要

タブレットやスマートフォンの場合、平らにしてヨコ置きの画面で文章が読めますが、パソコンの場合、画面を立てたタテ置きの状態で文章を読みますので、目からの距離もあり、凝視するというよりも眺めるように読むことになります。

目は横に並んでいますから、眺める画面にあわせて、映画のスクリーンでもテレビでも横長になっています。そこに文書を写しますから、ときどき強調して注意喚起をする必要があります。この場合、どこに注意マークをつけたらよいのかは明らかです。

視線が左から右に流れますから、区切りをつけた左側に注意マークをつけるのが効果的です。1ブロックを20行以内の行数で区切って、そこに小見出しをつけることにより、内容を強調することができます。小見出しが、文書にアクセントをつけてくれるのです。

以上は、皆さんおやりになっていることも多いはずです。それを意識して実行するだけで、効果があります。メールの場合も、空白行を数えないで20行以下が、ひと息に読んでもらえる一単位の目安になります[ビジネス・メールの書き方]。(つづく)

 

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