1 カードの数は300枚が限界
データや情報は、使えてこそ意味があります。アイデアのヒントにするときなど、とくにセンスのよいものがヒントを与えてくれます。おすすめできる方法の一つが、厳選したカード方式です。この方式の場合、必要なものを集める際に一工夫が必要となります。
印刷したもの、あるいは手書きでも、厳選したカード全体を時々見ることは、連想が働いて、アイデアが出やすくなります。ただ、効果的に振り返れるのは、せいぜい200枚から300枚まででしょう。カードで確認すべき枚数は、有限です。
この点、電子化しておいたほうが、その都度必要なものを検索してピックアップできるのが便利です。さらに必要に応じて印刷できますから、手書きよりも電子データが有利です。データ・情報を収集する場合、電子化しておくことが前提になります。
2 画面だけで理解しやすい形式が必要
電子化を前提に考える場合でも、つねに印刷されるわけではありませんし、その必要もありません。したがって、画面で見てわかりやすい形式で作っておくことが必要です。そうしておけば、印刷された場合、よりいっそう見やすい記述になるはずです。
画面だけの処理は理解が浅くなりがちです。書き込んだり、線を引いたり…が出来なくても、理解しやすい記述が求められます。それには素材の組織化が効果的でしょう。素材を統合して、見出しをつけることによって、画面だけでもかなりわかりやすくなります。
例えば、聞き取りを記述しておく場合、おさえておくべき基本データは、「誰が・誰に向けて、何を言っている」ということです。それらに加えて、その前提となるTPO(いつ・どこで・どんな場合)が、はっきりわかる記述にしておけばよいのです。
3 素材の組織化がスピード化に直結
業務のように人間に依存しながら遂行するものは、一回一回が経験です。経験のように一回性のものは、時間と場所が限定されます。目的、テーマも決まっていることがほとんどです。この前提に、「誰が・誰に・何を~した」を明確にする必要があります。
「誰が・誰に」は記述しやすいはずです。大切なのは、「何を言っている」という点を上手にまとめることです。現状はどうか、問題点は何か、解決策はどうなるか、頭の中に、こういう項目立ての意識があると、話が明確になります。これが組織化の基礎です。
素材を組織化して項目立てを適切にすると、わかりやすい、機能的な文書が出来ます。実際に試してみるとわかりますが、普通に書かれた文章にくらべて、内容の確認・理解が圧倒的に早く、簡単に数倍の早さにはなります。理解のレベルも深くなります。
組織化するには、時間・空間・場合・テーマ・目的・対概念などが使えます。その都度、適切な項目立てが頭に浮かぶようになると、思考が明確になります。並列なら一覧表示が効果的だ…ということもわかってきます。自己検証するうち、上手になるものです。