1 シンプルでないと判断できない
先日、Webと通販のビジネスをしている会社の社長さんとお話しました。経営者としても抜きん出た人です。この方が、シンプルでないと判断できないとおっしゃっていたのが印象的でした。難しい言葉を使われると、それだけで警戒するとのことです。
もし自分がわかっても、社員全員が同じように理解しているか不安になるので、誰でもわかるわかりやすい話しか採用できないとのことでした。社内での徹底がうまく行かないと、いろいろな問題点が出てきます。
ビジョンと言われても、わからないからね…とおっしゃいました。どなたかが、ビジョンという用語を使ったようです。日本語でわかるように言ってもらわないと困る、そんな難しい言葉で考えていないからとのことでした。
2 シンプルで効果があるのがよい
この社長さんの考えは、特異なものではないはずです。同じ考えの方がいます。こうした方々の多くは、「日本語で」とか「ひらがなで」言って…という条件をつけます。これが判定基準なのです。この条件に当たらないものはダメだというのでしょう。
私の方は、宿題を出されたような気分になりました。簡単に説明することの難しさを痛感しているところでしたので、考え込みました。わかりやすいということと、レベルが低いということは別なのでしょう。シンプルで、効果があるのがよい考えです。
家に戻ってから、管理職むけのコンテンツを確認することにしました。それらを印刷して、一般のビジネス人が不安になる用語は、きっちり説明をつけるか、使わないようにという方針でいくしかないな…と思いました。
3 わかりやすい用語を使う
少し前に、戦略という用語を使っていた管理職の人がいました。使ってまずい用語ではありません。ただ、その方がどんな意味をもった言葉として使ったのか、よくわかりませんでした。戦略という言葉は、日本ではとくに多様な概念を示す用語になっています。
<英語のstrategyとは「特定の目的に対する枠組みや方向性」を指す>とウィキペティアにあるように、戦略は目的に対するもののはずです。私が「戦略」という用語を使うとき、基本的には、目的を目標に変えるものが戦略であるという意味で使います。
マネジメントの用語が、わかりにくくなってきています。業務マニュアルを作成する方法をお話したときにも、共通理解が難しくなっているのを感じました。いかにシンプルにするか、いかにわかりやすくするか、宿題になっています。