1 研修のポイント
ある中核都市で研修を行ってきました。受講された方は、若い方中心でした。希望者参加ではなくて、社員教育の一環として実施されたものです。先日、「研修の受講のあとに」どうすべきか…について書いたばかりだったので、今回は、何となく気になりました。
午前中にビジネス文書全般についてお話をし、午後3時間を使って操作マニュアルの作り方の基本を、最後の1時間で文章の書き方と質問を受けました。7時間あると最低限のことはお話できますが、あいかわらず情報を詰め込みすぎになりがちです。
今回の研修でポイントにしたのが、ビジネス文書とマネジメントとの関係でした。文書作成にマネジメントの思考がどう絡むのか…という点を強調したつもりです。そのための基礎になる練習方法をご説明しました。実践してくださるか、気になります。
2 文書の材料
文書をまとめるには、材料が必要です。伝えるべき素材・材料は何であるか、メモしていくと、自分の持ち物が見えてきます。ビジネスの場合、材料が特に大切です。伝えるべき材料がなくては、質の高い文書になりません。
では、材料をどうやって仕入れたらよいのでしょうか。見つけようとアンテナを立てていないと見つかりません。普段から、アンテナを立てていることが必要です。見つけようとしなくては見つかりません。さらに見つかったかどうかを検証しなくてはいけません。
自分が収集した情報が、どのくらいのものであるかを、メモをして検証することになります。その情報をどうまとめるか、頭の中の整理の仕方が問題となります。普段の仕事のレベルが、そのまま文書に反映されがちなのは、こうした事情があるためでしょう。
3 検証の手段としての文書
収集した情報から何らかの傾向や対策を見出そうとすることは、情報収集にも影響を与えます。何かを分析し、判断しようとするとき、それに必要なデータと情報が必要です。それがそろっていない場合、何かを見つけてきて、埋めなくてはいけません。
何が必要なのかということがわかってくると、その情報が見つけやすくなります。もちろん、必要な要素をすべてそろえることなど、実際にはできません。しかし、かなりのものが集められますし、欠落部分の状況を推定することが出来るかもしれません。
自分が伝えるべき事柄について、材料を十分に持っているのかどうか、またその材料を生かして、十分な判断ができているかどうか、意識することが大切です。それらがどのくらい出来ているのかを検証する手段として、文書作成を位置づけることも可能でしょう。