1 選抜方法の変化
今年の就職活動が例年よりも早く始まりました。2020年新卒になります。業界にもよるでしょうが、3月末までにいい人を確保したいという企業がかなりありそうです。ここしばらく、学生からの質問が殺到しています。不安があるのは当然のことです。
企業は世の中の変化に対応して生き残っています。ここ数年、毎年求人が増え、就職先が拡大してきました。多くの学校の内定率が上がっていることでしょう。この過程で、企業はいい学生を確保したいと苦労していました。採用の方法も工夫してきています。
いい学生をとりたい企業が、様々な工夫をするのは当然のことです。担当の方から、それとなく学生の話を振られることもありました。企業のほうでは、学生に自然体で普段のままの姿で来てもらいたがっているのが伝わってきました。
しかし学生はとまどっています。従来と選抜方式が変更になって、前年に内定をもらった先輩の話と違っていたり、説明会に行った学生が、学校で事前に聞いていた説明と違う雰囲気を感じ取っているのです。どうしたらいいのかわからないというところでしょう。
2 いいお客さんの集まる会社
企業側はいい学生をとりたい、学生側はいい会社に入りたいのです。当然のことでしょう。しかしいい会社とは何かがわからないと学生が言います。教え子たちの進む分野はサービス業がほとんどです。何を見たらいいのか、わかりにくいのかもしれません。
いい会社とは何かと言われて、いいお客さんのいる会社を見つけてみて…と答えました。この会社なら、いいお客さんが集まってくると思える会社なら、大丈夫だということです。このサービスなら、自分も満足できると思えるかどうかが基準になります。
サービス業を選ぶ学生はもともと自分がしたいサービスかどうかという観点から会社を選んでいます。実際に会社の担当者と話すうちに、だんだん物事は見えてきます。いいお客さんを持っているかどうかという意識があると、何となくわかることがあるようです。
3 自己アピールと相性
自分の入りたい会社が見つかったら、今度はどうやったら入れるのか、また学生があれこれ心配になって聞いてきます。これで大丈夫という特別な対策があるとは思えません。しかし企業側が見る観点がいくつかあるはずです。それを知っておくべきでしょう。
人物を評価するとき、世の中での評価の観点があります。学生ですから社会人としての評価はありませんが、実績のある学校か、どんな資格を持っているのか、特別な賞をとっているのか…といった点をチェックするでしょう。しかし、これは決定打にはなりません。
大切なことは自分でのアピールと会社との相性でしょう。アピールすることは学校で何を学んできたのか、自分で取り組んだことは何かという点が中心になります。一定レベルの事務処理能力があることも必要でしょう。これ以外は相性がものをいいそうです。
毎年、第一志望だったところに行かなくなる学生が出てきます。残念な例もありますが、もっと良い会社を見つけたという学生も少くありません。できる学生は沢山いますし、柔軟な選択をするようになっています。企業側にも間違いなくチャンスがあるのです。